アンヘルロスト
公開中 / 完結
百二十年、人々の幸福を祈り続けた「天使」を、私は一週間かけて解体する。
SF
アンヘルロスト
あらすじ
その街には、市役所の前で道行く人々の幸福を祈り、毎日五時にアヴェ・マリアを歌う機械仕掛けの「天使」がいた。
百二十年にわたって役目を果たしてきた彼女も、老朽化によって新型へ置き換えられることになり、解体屋である「私」のもとへ運び込まれる。
自らの終わりを当然のこととして受け入れ、微笑みながら解体を促す「天使」。ただの機械だと自分に言い聞かせながら作業を進める「私」は、彼女との対話に次第に心を乱されていく。
一週間の解体作業の果てに、百二十年間祈り続けた「天使」が遺す、最後の祈りとは。
作品情報
創元短編SF賞1次選考通過作品
ジャンル: SF
連載状況: 完結
作品の特徴
- 機械仕掛けの「天使」が一週間かけて少しずつ解体されていく過程を、解体屋である「私」の視点から描いた短編SFです。
- 人を模して作られた機械と人間の境界、役割を終えることへの受容、祈りを捧げ続けた存在に心はあったのかを、静かな対話と抑制された一人称の語りで描いています。
- 美しい天使と無骨な解体作業、穏やかな会話と避けられない別れの対比が特徴です。
作者による紹介
人々の幸福を祈るために作られた機械と、その機械を終わらせる仕事を引き受けた解体屋の、静かな一週間を描いた短編SFです。
自らを「ただの機械」と語る天使に、人はどこまで感情を向けられるのか。役割を全うすること、誰かのために祈ること、そして役目を終えた存在に何が残るのかを、天使が少しずつ解体されていく過程を通して描きました。
創元短編SF賞一次選考通過作品です。
